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雑誌をテーマにした古書店「magnif」が選ぶ “インスタ映え”ヴィンテージマガジンTOP10

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雑誌をテーマにした古書店「magnif」が選ぶ “インスタ映え”ヴィンテージマガジンTOP10

古本の街・神保町で、古い雑誌の収集、販売を続けている“雑誌の古本屋”「magnif(マグニフ)」。1950年代~90年代のファッション誌、カルチャー誌などのいわゆるヴィンテージマガジンが店内にはずらりと並び、国内外問わず多くの方々から支持されています。

いまSPBS本店では、そのmagnifさんにご協力いただき、「渋谷」をテーマにした雑誌フェアを開催中です。※~2月24日(土)まで

 

今回、編集部が注目したのはmagnifさんのInstagramアカウント(@magnif_zinebocho)。2万人近いフォロワーを抱えており、その数はSPBS本店(@spbs_tokyo)の約2倍……!

「magnifさんの人気の秘密は、Instagramにあるはず!」。そんな仮説の下、magnif店主・中武康法さんに、これまでの投稿で反響が大きかった『“インスタ映え”ヴィンテージマガジン』を10点選んでいただきました。Instagramから、magnifさんの魅力を紐解きます!

 

文=SPBS編集部(インタビュー) / magnif(ランキング)

 

■ヴィンテージマガジンの、ココが面白い!

ーずばり、ヴィンテージマガジンの魅力とは何でしょう?

 

中武:いろいろありますが、出版された当時の風俗が如実にあらわれているところが読んでいて楽しいです。服装の流行りの発端とか見えてくるものがたくさんあります。

雑誌には、ほんとうに多くの要素が詰まってます。広告とかも、当時は一見下世話にみえるものも多いのですが、そんな雑多な情報こそ実は大事だったりするんです。

たとえばどんな映画や音楽が流行っていたか、家電は何を使っていたのか、そのCMタレントは誰なのか……すべてが当時の流行と密接に関わっていると思うのです。当時の景色が横軸になって分かるというところが、ヴィンテージマガジンの大きな魅力です。

 

magnif店内。カルチャー誌が所狭しと並んでいる

 

ーなるほど。インターネットが普及してたくさんの情報に簡単にアクセスできるようになりましたけど、そういった“体験”はヴィンテージマガジンを読むことでしか得られないものですね。

 

中武:単に情報を得るだけでなく、当事者のような感覚で流行を仮体験できるという点に、ヴィンテージマガジンの価値があると思います。それは、ネットの“まとめサイト”などにはない価値ですね。

 

■「インスタ映え」するヴィンテージマガジン

ーmagnifさんのInstagramのアカウントが人気ですね。

 

中武:ただ単に入荷情報をお知らせするだけでなく、その雑誌が出版された時代の何が面白いのかを伝えるために始めました。ファッション雑誌というものは基本的に視覚に訴えるものですから、他のどんな書籍よりもインスタ向きだと思います。はじめは雑誌本来の姿を尊重してページ丸ごと見せていましたが、今では、小さくても“時代の象徴”だと思われる箇所を見つけたら思い切り拡大して見せています(笑)

画像が多くを物語るので、説明書きは極力控えています。「80年代はこうでした」なんて言い切ったら“まとめサイト”と変わんなくなっちゃいますから。そういう意味でハッシュタグというのがとても有効で、いいさじ加減で伝えたい事を表現してくれます。当時を知る人にとっては懐かしく、知らない人にとっては想像力をかきたてるもの。そんな感じが、面白がっていただけているポイントなのかもしれません。

今回のSPBSでのフェアも、「#渋カジ」「#KAWAII」など渋谷にまつわるハッシュタグを使って、インスタ上で商品を紹介しています。

 

ーなるほど。1950年代~90年代のビジュアルが、今の時代に「インスタ映え」しているという現象は面白いですね。

 

中武:そうですね。ヴィンテージマガジンの魅力を、新しい切り口でお見せできているのかなと思います。

 

ーということで今回中武さんに、これまで『インスタ映えしたヴィンテージマガジンたち』をセレクトしていただきました! 今回SPBSが10周年ということで、10冊も選んでいただいてすいません(笑)。

 

中武:10周年おめでとうございます!反響が大きかった投稿の中から、雑誌あるいはファッションの歴史において重要だと思うものを私なりに選んでみました。それぞれコメントを添えてみましたのでビジュアルと合わせて楽しんでもらえると幸いです。

気になった方は、是非店頭にも遊びにきてください!

 

① 『anan』 September1981

当店のインスタでは、単発の商品紹介というよりも、何かしらのテーマ、あるいは同じ雑誌を時系列で紹介するという方法をとっています。
今回はフェアの「渋谷」をテーマにした投稿で、70年代から00年代初頭までの雑誌を紹介しました。
80年代の原宿界隈の盛況を披露する一方で、単なる“昔は良かった”にしたくなかったので、
このアンチな一冊が必要でした(今回のフェアのために他所の古書店を廻って何とか入手しました・・・)。
そもそも“原宿に行け”と言ったのは同じ雑誌じゃないか、とツッコミたくなりますが、この頃のアンアンは積極的に読者を煽っていて、まさに“時代の半歩先を行く”といった感じです(2018年2月6日投稿)。

 

② 『ハイファッション』October 1977

コムデギャルソンの川久保玲さん、1977年の貴重なインタビュー。

海外進出を期待されながらの消極的なコメントに、今も変わらない“らしさ”を感じます。そして同時に、この後の快進撃を思うとゾクゾクしてくるわけです(2017年9月22日投稿)。

 

③ 『POPEYE』November 1977

アメリカンカルチャーのイメージが強い初期ポパイですが、ロンドンパンクにもしっかりとアンテナを張っています。

記者は大貫憲章と伊藤政則だからガチです。もちろんセディショナリーズも取材。若き日のヴィヴィアン(ウエストウッド)の姿も収めています(2017年2月21日投稿)。

 

④ 『mcSister』August 1981

『MEN’S CLUB』の妹版で元々アメリカンカルチャーに強い『mcSister』(シスター)ですが、この頃のフィフティーズ推しはとにかく最高。

ポニーテールがバッチリの吉田光希さんを看板にして、真鍋立彦さん、中山泰さんといったアメリカンヴィジュアルの名手たちがデザインを担当しています(2016年7月20日投稿)。

 

⑤ 『LIFE』 June 1937

いわゆるアイビースタイルが好きなので、昔の雑誌にアメリカのキャンパスが載ってたりするとつい見とれてしまいます。

これは1937年だからアイビーなんてまだまだ先のことだけど、やっぱり素敵です。このサドルシューズの表紙、最高でしょ!? (2017年6月15日投稿)

 

⑥ 『asayan』 August 1997

連載「LAST ORGY 3」の最終回。「原宿やその他路上で~中略~商品をとんでもない高値で売っている人々がいる限り連載はやりません」という高橋盾さんの言葉に心打たれます。“裏原ブーム”って、その狂騒ばかりが語られがちですが、クリエイター側はプライドを持ってやっていたのだとあらためて思います(2017年1月27日投稿)。

 

⑦ 『Interview』 April 1990

スタジオボイスの「不良特集」でもお馴染みのジョニー・デップのポートレイト。

タイポグラフィと写真を対比させたような大迫力の見開きは、アートディレクターであるファビアン・バロンの傑作です(2015年7月4日投稿)。

 

⑧ 『FRUITS』 September 1998

頑なにシンプルなポートレイトを撮り続けた同誌だからこそのインパクトある1枚。

演出やメッセージを極力控えているのがこの雑誌の良さであり、自分のインスタもこれに倣っているところがあると思います。

PARCOの『ACROSS』さんもそうですが、淡々と「記録」している雑誌及びメディアは本当に貴重だと思っています(2016年8月30日投稿)。

 

⑨ 『Harper’s Bazaar』 July 1958

伝説的アートディレクターのアレクセイ・ブロドヴィッチが活躍していた頃のハーパース・バザー。余白を大胆に活かした緊張感ある構成で、

ページをめくる度にため息がでるようなカッコよさ。リチャード・アヴェドンやリリアン・バスマンなどの才能もここから羽ばたいており、

アンディ・ウォーホルも靴や雑貨のイラストにてそのセンスを見出されています(2015年7月27日投稿)。

 

⑩ 『anan』June 1989

カバー写真がキョンキョンのアンアン。想像以上の反応があり驚きました。

芸能人モノって、当店が追求している服飾文化とは別の価値基準を巻き込んでしまうので取り扱いが難しいのですが、この号の髪を切ったキョンキョンは正に時代の象徴で、見逃がす訳にはいかないのでした(2017年12月15日投稿)。

 

<プロフィール>

中武康法(なかだけ やすのり)さん/

1976年宮崎県出身。大学入学と同時に上京し、それから間もなくして、世界的な古書店街である神田神保町にて古書店勤務を始める。10年以上の古書店勤務を続けるなかで、過去のファッション雑誌を顧みることの面白さと重要性を見出してゆく。
2009年、勤務地だった神保町に古書店「magnif(マグニフ)」を開業。ヴィンテージマガジンを中心とした品揃えは瞬く間に注目を集め、服飾メーカー、デザイナー、ファッション雑誌編集者、そして多くの洒落者や趣味人たちが足繁く通う店となった。最近ではアパレルショップ、百貨店などのイベント協力など、活動の幅は更に広がりを見せている。

 

<店舗情報>

magnif

101-0051 東京都千代田区神田神保町1-17
TEL&FAX : 03-5280-5911
OPEN:11:00~19:00(定休日:不定休)
http://www.magnif.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/magnif_zinebocho/

 

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