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「ほぼ最新のランキングから」〜粕川店長と語り合うSPBSの売れ筋についてのあれやこれや

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「ほぼ最新のランキングから」〜粕川店長と語り合うSPBSの売れ筋についてのあれやこれや

どうしてこの本が売れているのか?

 

お客さまは、いまどんな読み物を求めているのか? etc

 

『ほぼ最新のランキングから』は、奥渋谷の本屋「SPBS本店」の先月のベストセラーランキングを肴にして、粕川店長にあれやこれやと振り返ってもらう企画です。 さあ、今回もいってみましょー!

 

文・写真=SPBS編集部

 

1位:『BRUTUS No.863[山下達郎のBrutus Songbook]』(マガジンハウス)

──粕川店長、今月もよろしくお願いします! 2月は、1月と似た顔ぶれになりましたね。

 

粕川:はい。先月に引き続き、『山田全自動でござる』(ぴあ)、『ニューヨークで考え中(2)』(亜紀書房)、『孤独を生きる言葉』(河出書房新社)、『ATLANTIS zine』(SPBS)はよく売れました。これらの本についてはすでにお話しているので、今回は、それ以外の本についてお話できればと思います!

 

──今回は『BRUTUS No.863[山下達郎のBrutus Songbook]』が1位でした。これまで雑誌では『POPEYE』がランキング入りしてましたが、『BRUTUS』は初めてですね。

 

粕川:はい。山下達郎さんの特集企画がとても良かったんだと思います。これは売れそうだと思ってたくさん仕入れたのですが、本当にたくさん売れました。どの書店でも、もう品切れの状態みたいです。

 

──すごいですね。

 

粕川:山下さんのラジオ番組『山下達郎のサンデー・ソングブック』(JFN TOKYO-FM系全国38局ネット)に連動した特集企画だったんですが、とても刺激的な内容でした。山下さんの音楽に対する独自の観点と膨大な知識、最高の選曲が味わえるところが売れ行きの良さの主な理由だと思います。最近SPBSでも細野晴臣さんの本や、ヒップホップにまつわる本がよく売れています。音楽好きに刺さる本がよく売れている印象です。

 

──この前の東郷清丸さんのライヴイベントは盛況でしたね。「音楽×本」「音楽×本屋」という組み合わせも、SPBSっぽい気がします。

 

粕川:そうなんです! 東郷さんのライヴも素晴らしくて。本好きには音楽好きが多いし、音楽好きも本好きが多い。この二つはとても相性が良いなと感じています。

実は、「音楽」の次に私が狙っているジャンルは「演劇」です。本や本屋の魅力を再認識できる、新しい見せ方に挑戦したいなと目論んでいます。

 

──「演劇×本屋」ですか! とてもおもしろそうですね。楽しみにしています!

 

5位:『たしなみについて』(河出文庫)

 

粕川:これは新刊ではないのですが、白洲正子さんの『たしなみについて』という本がよく売れました。売れ行きの良い文庫を平積みで並べている「文庫50選」というコーナーが店内にあるのですが、ここに置いてからたくさん手に取っていただいています。

 

──女性のお客さんに刺さりそうな本ですね。

 

粕川:ところが、男性のお客さんもよく買っていかれるんですよ。性差というよりも、年齢層でお客さんが分かれる感じで、若い方に刺さっている気がします。女性の生き方を白洲正子さんが痛快に語っています。

 

──空気の読みあいが多い若い人からすると、白洲正子さんのような毅然とした物言いは新鮮に映るのかもしれませんね。

 

粕川:そうですね。NHKスペシャルドラマ『白洲次郎』(2009年 / 全3回)を観たことがあるのですが、タバコを咥えて堂々とした振る舞いの白洲正子さん(中谷美紀さん)は、とてもカッコ良かったです。白洲さんのような生き方は、なかなか真似ることができるものではありませんが、だからこそ惹かれるものがありますね。

あと私なりのポイントとしては、武田砂鉄さんの解説文がおもしろいです。私はよく解説から読み始めたりするんですが、こちらは武田さんの解説文からもう引き込まれてしまいました。

 

──解説から読み始めるというのは、おもしろい読書方法ですね。こんど試してみます!

 

番外編:『たすかる料理』(リトル・モア)

 

粕川:最後にもう1冊、『たすかる料理』という本をご紹介させてください! こちらは、東京の代々木上原にある「按田餃子」というお店の店主・按田優子さんの本なんですが、とても魅力的な料理本です。

 

──『たすかる料理』って、おもしろいタイトルですね。どういう本なんですか?

 

粕川:自炊の料理に関して書かれた本なんですが、ざっくりいうと「みんな、もっと気楽にご飯をつくって食べましょう」という内容です(笑)。

細かいレシピが載っているわけではなく、「もっと自分勝手に、ワガママに食べていいんだよ」という按田さんの言葉通り、良い意味で適当な料理がたくさん紹介されています。たとえば、「塊のお肉をまとめて煮て、ちょっとずつ削いで食べる」とか、「ご飯は、とりあえずたくさん炊いて、酢をまぶしておけば腐らないから大丈夫」とか。料理に対するハードルを下げてくれる1冊です。

 

──おもしろいですね。私自身もそうなんですが、普段料理をしない人にとっては自炊のハードルってとても高いですよね。

 

粕川:はい。おかずは何品つくらないと……とか、あれこれ考えてしまう人は多いと思うんですが、そういった方に是非読んでいただきたいですね。

 

──ちなみに粕川店長は、自炊はされるんですか?

 

粕川:……は、はい(汗)。ただ自宅にコンロがないので、トマトや白菜なんかの野菜を電子レンジで温めて食べたりしています!

 

──なんと……。それは、按田さんもびっくりな「たすかる料理」ですね(笑)。

 

【2月 SPBS ベストセラーRANKING】

1位:『BRUTUS No.863 [山下達郎のBrutus Songbook]』(マガジンハウス)680円(税込)

2位:『ニューヨークで考え中(2)』近藤聡乃(亜紀書房)1,080円(税込)

3位:『ATLANTIS zine 04号』加藤直徳(SPBS) 1,404円(税込)

4位:『ATLANTIS zine 05号』加藤直徳(SPBS) 1,512円(税込)

5位:『たしなみについて』白洲正子(河出書房新社)821円(税込)

番外編(15位):『たすかる料理』按田優子(リトルモア)1,728円(税込)

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